「炭化装置」と似た言葉に、「炭化炉」「焼却炉」「ガス化炉」などがあります。いずれも、廃棄物処理を行う装置であることは共通しています。しかし、それぞれの機能には異なった特徴があるのです。ここでは、「炭化装置」、「焼却炉」、「ガス化炉」について、「炭化炉」と比較してみました。
産業廃棄物を分解する際に使用するものや、分解後に生成された物質の利用方法などが、装置によって違う点について解説しています。廃棄物処理装置の導入を検討される方は、参考にしてください。
「炭化装置」と「炭化炉」とも、廃棄物などの有機物を、熱分解することで、分解ガス、水、炭に変化させる装置です。「炭化装置」と「炭化炉」は、酸素を使わない方式で低温過熱し、炭素を固着するので二酸化炭素を排出しません。また、発生した炭は、燃料や肥料などの資源として、利用できます。
炭化炉は、焼却炉とは構造が異なります。
炭化炉は低温の熱により廃棄物を分解するものです。分解には、酸素を使いません。炭化炉が行うのは、有機物の分離技術です。二酸化炭素を発生させることなく、物質中の固定炭素と灰を、炭にし、放射性物質は、無毒化したガスにします。
一方、焼却炉は酸素を用いて廃棄物を分解します。廃棄物を高温燃焼させることで、炭酸ガス(=二酸化炭素)、水、灰にします。焼却炉は、二酸化炭素を大量に排出するため、地球環境に悪影響を与えることが、問題点としてあげられています。
また、炭化炉は、焼却炉とは、法の規定も異なります。
焼却炉は都道府県知事や政令市市長の設置許可が必要ですが、炭化炉については産業廃棄物の焼却施設に該当しないので、設置許可は多くの場合不要です。ただし、炭化炉であっても、燃焼させる処理を伴うものなどには、設置許可が必要になります。
参照元:金沢機工株式会社(https://www.kanazawakiko.jp/284/)
ガス化炉は焼却炉の一種です。炭化炉もガス化炉も、産業廃棄物から化石燃料の代替になるものを生成し、循環化社会を実現することに貢献しています。
まず、炭化炉では、炭をつくり、燃料や肥料として再利用します。
一方、ガス化炉では、廃棄物などを、まず、ガス原料前処理(乾燥など)します。その後、酸素や水蒸気を用いて、前処理された廃棄物などを、水素と一酸化炭素で構成されている、合成ガスへと変化させます。
ガス化炉で生成された合成ガスは、化学製品の原料になったり、バイオ燃料、燃料電池などとして利用されています。ガス化炉は、大変発電効率が高いため、海外では、発電用エンジンの動力として導入されている事例が少なくありません。
| 炭化炉 | 焼却炉 | ガス化炉 | |
|---|---|---|---|
| 酸素の使用の有無 | 酸素を使用しない、もしくは低酸素還元雰囲気内。 | 完全燃焼に充分な量の酸素を使用。 | 部分燃焼に制限された酸素・水蒸気を使用。 |
| 処理温度 | 280℃~700℃前後 | 800~1000℃前後 | 450℃~600℃前後 |
| 排ガス | 分解生成物や揮発成分などの、さまざまな成分を含んだ合成ガスを排出。 | 大量の二酸化炭素を排出。 | 水素と二酸化炭素の合成ガスを生成。水素は取り出して水素からアンモニアを作成。アンモニアは化学品へ。二酸化炭素はドライアイスなどへ。 |
| 炭 | 二酸化炭素を半永久的に固定した炭を生成。は燃料や、土壌改良剤、肥料などに利用される。 | 焼却灰にはダイオキシンなどが含まれる。また、排出するガスにも、灰が含まれる。 | 灰ではなく、溶解スラグが排出される。利活用が可能。 |
| 排熱 | 排出する熱を回収し、再利用も可能。 | 熱供給プラントへ供給され、冷暖房などへも利用されていることも。 | 発生した熱は、ボイラなどで回収し、発電や冷暖房などに利用されている。 |
参照元:明石市公式サイト(http://www.city.akashi.lg.jp/kankyou/shigen_junkan_ka/sinnro/documents/1-5-3shorihoushiki.pdf/)

| 処理量 | 100t/日~ |
|---|---|
| 費用感 | 十数億円 |
| 主な用途 | 大量の下水汚泥処理など |
| 装置タイプ | 連続式 |

| 処理量 | 1~50t/日~ |
|---|---|
| 費用感 | 0.5~数億円 |
| 主な用途 | 汚泥、残渣、リサイクル木材、バークなど |
| 装置タイプ | 連続式、バッチ式など |
選定基準:Googleで「炭化装置」を検索して表示される全19ページより、「炭化装置」「炭化炉」を製造・販売しているメーカーで絞りこんだ結果の38社が対象(2022年10月24日調査時点)
※1:行政機関に100t/日×2系統という、規模が最も大きい炭化装置の導入実績が、公式サイト上に掲載されている唯一の企業
※2:400種以上の処理物の炭化検証実績があり、かつ導入実績を公開している炭化装置メーカーの中では最多の企業。