農作物を加工して作る食品は数多くあります。例えば砂糖。砂糖の原料はサトウキビやビート(甜菜)などの植物です。これらを圧搾した絞り汁が、砂糖の原料となります。残った搾りカスは乾燥して燃料に変えたり、あるいは畑の肥料として再利用されたりします。また、大麦を発酵させて作るビール工場やウイスキー工場でも、大麦を包む殻が大量に残ります。これらの残渣は牛や豚など家畜のエサとなることが多いようです。
農作物の多くはそのままでは流通できず、何らかの加工が施されているケースがほとんどです。そのため食品プラントでは、大量のごみが日常的に排出されます。また、廃棄物の水分量が多いことが特徴でもあります。そのため、炭化処理をする場合には水分を飛ばしたのちに、炭化を行う必要があります。
食品工場で廃棄されるごみは、年間を通じて安定的に排出されています。一方で農作物には季節要因があるものが存在します。代表的なのが稲作の収穫後に出てくる稲わらや籾殻などです。
これまでは鋤込みといって、収穫後の田んぼに栄養を戻すため、稲わらや籾殻を土中数センチの深さに鋤込む作業が行われていました。ただ、この鋤込みでは、有機成分を農地に戻すという重要な役割がある一方で、土中で微生物が分解することにより、メタンガスや亜酸化窒素などの温室効果ガスが発生する原因ともなると指摘されています。
このような背景から、炭化処理によって栄養価の高い肥料をつくることや、廃熱を利用することが積極的に検討されています。とくに北日本の場合、稲が刈り取られる秋以降に気温が低下することから、熱源としての炭化装置が注目されています。
これまで食品工場の廃棄物として捨てられるバイオマスは、資源として見られていませんでした。多くの場合、廃棄物は農地にそのまま放置され、土の表面で分解・腐敗されています。そのため周辺に発生する悪臭が問題視されてきました。また、腐敗によりメタン発酵がおこり、大量のメタンガスが空気中に放出されることは、地球温暖化の原因になるとも指摘されています。
また一部の国では、堆肥化の名目で食品残渣を山のように積み上げ、野焼きの燃料に使っているところもあります。これは煙害や山火事などにつながる恐れがあります。
農地に還元する場合は、野菜くずや農業残渣・食品残渣などをそのまま土中で腐敗させたり、燃やした灰を撒いたりするよりも、炭化処理したパウダー状の粒子を撒いたほうが、農地の土質改善に役立つと考えられています。
炭化処理された有機物にはリン、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムが炭素とともに残留しています。近年ではカリウムやリンなど肥料原料が高騰し、農業生産に及ぼす影響が心配されています。こうした中で有機物の濃度を低コストで高めることができる炭化処理は、肥料原料製造に有効な技術だと期待されています。

| 処理量 | 100t/日~ |
|---|---|
| 費用感 | 十数億円 |
| 主な用途 | 大量の下水汚泥処理など |
| 装置タイプ | 連続式 |

| 処理量 | 1~50t/日~ |
|---|---|
| 費用感 | 0.5~数億円 |
| 主な用途 | 汚泥、残渣、リサイクル木材、バークなど |
| 装置タイプ | 連続式、バッチ式など |
選定基準:Googleで「炭化装置」を検索して表示される全19ページより、「炭化装置」「炭化炉」を製造・販売しているメーカーで絞りこんだ結果の38社が対象(2022年10月24日調査時点)
※1:行政機関に100t/日×2系統という、規模が最も大きい炭化装置の導入実績が、公式サイト上に掲載されている唯一の企業
※2:400種以上の処理物の炭化検証実績があり、かつ導入実績を公開している炭化装置メーカーの中では最多の企業。