各家庭や小規模事業者で排出される汚水(洗濯、キッチン、風呂、トイレなどの排水)は、そのまま流すと海や川が汚れてしまいます。そこで生活排水は、下水道を通って下水処理場で浄化してから下流へと送られます。
下水処理場では、活性汚泥法により排水が処理され、きれいな水に生まれ変わります。活性汚泥法とは、まず下水に空気を送り込んで(ばっ気処理)、微生物を繁殖させることで、水に溶けている栄養分を細菌に食べさせ、質量が重くなった微生物を沈殿分離させる手法です。その際に沈殿したものが下水汚泥と呼ばれています。
この汚泥は水分を多く含み、そのままでは炭化処理できません。遠心濃縮機・遠心脱水機により水を分離したのち、汚泥に薬品を加えて凝縮し、脱水ケーキとよばれる固形物にしたうえで炭化装置に投下されます。
下水汚泥の有効利用は、1980年代後半に建築用セメントとして利用されはじめて以降、大幅に増加しています。ただしこれは、大都市近郊の大型下水処理施設で進んでいる汚泥の再利用のこと。中小都市においては田畑の耕作面積の減少により、コンポスト化(農地に撒くことで土中有機物が汚泥を発酵させ、栄養価の高い土壌改良剤に変換すること)としての利用が限界に達しています。
こうした状況から、下水汚泥を炭化し再利用する試みが各地域で広がっています。炭化処理された汚泥は、木炭に似た性質があります。まず、炭化処理することで体積や重量が減少し、取り扱いやすくなること。また、物性として大きな表面積と細孔容積を持つため、微生物の住処となりやすいこと。そして通気性や透水性・保水能力に優れていることなどが挙げられます。
これまで下水汚泥は、埋め立て地の材料としても使われてきました。しかし人口が減少しはじめ、都市化が頭打ちになっている現在では、従来のような埋め立て地材料としての需要は減少しています。一方で下水道の普及は進んでおり、それに伴い下水汚泥の量は増え続けています。そのため、下水処理場は都市インフラの中でも電力消費量が多く、維持コストが高い施設だと言われています。それが原因で、地域によっては処理場の消化槽を廃止するところもあります。
人口が集中している都市部では、下水汚泥は急激に増加しています。言葉を換えれば、社会生活に伴って必然的に発生するバイオマスが下水汚泥であり、量・質ともに安定していると言えます。また、下水処理場に自動的に流れ込んできますので、家庭ごみや家畜の糞尿のように収集の必要がないバイオマスとも言えます。
このような特性を生かして、下水処理場近辺に炭化処理プラントを設け、エネルギーの需要地である都市部で地産地消できるバイオマス熱源としての利用が期待されています。

| 処理量 | 100t/日~ |
|---|---|
| 費用感 | 十数億円 |
| 主な用途 | 大量の下水汚泥処理など |
| 装置タイプ | 連続式 |

| 処理量 | 1~50t/日~ |
|---|---|
| 費用感 | 0.5~数億円 |
| 主な用途 | 汚泥、残渣、リサイクル木材、バークなど |
| 装置タイプ | 連続式、バッチ式など |
選定基準:Googleで「炭化装置」を検索して表示される全19ページより、「炭化装置」「炭化炉」を製造・販売しているメーカーで絞りこんだ結果の38社が対象(2022年10月24日調査時点)
※1:行政機関に100t/日×2系統という、規模が最も大きい炭化装置の導入実績が、公式サイト上に掲載されている唯一の企業
※2:400種以上の処理物の炭化検証実績があり、かつ導入実績を公開している炭化装置メーカーの中では最多の企業。